近赤外パルスレーザーを用い、焦点付近の高い光強度で起こる二光子吸収により蛍光分子を励起する蛍光顕微鏡。
励起が焦点近傍に局在するため、背景光を低く抑えられる。
厚い試料でも高コントラストに観察でき、深部観察に用いられる。
蛍光の明るさではなく、励起から発光までの時間(蛍光寿命)を画素ごとに測定する手法。
プローブ濃度や励起強度ムラ、褪色の影響を受けないため、pH・イオン濃度・温度など環境変化に伴う蛍光寿命変化を利用した定量に適する。
従来の光学顕微鏡の限界を超えた空間分解能で試料を観察できる顕微鏡。
蛍光顕微鏡で多くの手法が報告されており、代表的な手法に、誘導放出制御(STED)顕微鏡、単一分子局在化(single molecule localization)顕微鏡、構造化照明(SIM)顕微鏡などがある。
溶液や細胞内に含まれる特定イオンの量を単位体積あたりで表したもの。
細胞の電気活動、酵素反応、収縮など多くの生命現象を制御する。
蛍光プローブを用いることで、濃度の時間変化や空間分布を可視化・定量できる。
生体試料を急速に冷却して凍結し、分子分布や細胞構造を観察状態に近いまま固定する手法。
水をガラス化(非晶質化)させることで氷晶形成を抑え、構造損傷を最小化できるため、クライオ電子顕微鏡用の試料作製に用いられる。
細かな構造を観察する能力が高いこと。
一般に空間分解能は、対物レンズの集光角と、試料と対物間媒質の屈折率により規定される。
実効的な空間分解能は信号対雑音比にも依存し、信号対雑音比が低下しやすい高速イメージングでは実効空間分解能が低下する。
心臓の収縮を担う筋細胞。
活動電位に伴うCa2+流入と筋小胞体からのCa2+放出で細胞内Ca2+濃度が上昇し、これが引き金となってアクチン‐ミオシン相互作用が進み、収縮・弛緩の周期運動(拍動)が生じる。
生体試料内のCa2+を検出できる蛍光プローブ。
Ca2+濃度が高いと結合して蛍光を発し、低いと解離して蛍光が弱くなるため、カルシウムイオン濃度の時空間変化を測定できる。
イソペンタンとプロパンを混合した極低温の液体寒剤。
液体窒素とは異なり沸点が高いため、生体試料に接触させることで、急速凍結し、試料の構造を凍結固定することができる。
電子顕微鏡観察用の生体組織の凍結切片作製に用いられる。
測定で得られる信号強度(S)とノイズ成分(N)の比(S/N)。
蛍光顕微鏡などの光計測では、信号は観察対象からの蛍光であり、ノイズには光子数の統計ゆらぎに由来するショットノイズや、検出器由来の暗電流ノイズ・読み出しノイズなどが含まれる。
細胞などの試料に光を照射し、その光照射に応じた応答を誘起する手法。
たとえば、光に応じてCa2+を放出する試薬を細胞に導入し、その細胞に光を照射すると、特定の部位やタイミングで細胞内Ca2+濃度を変化させることができる。
Ca2+を検出できる蛍光プローブを細胞内に導入し、細胞内Ca2+濃度の時間変化や空間分布を可視化する手法。
心筋細胞の拍動や神経細胞の発火に伴うカルシウム応答など、ミリ秒から数十ミリ秒スケールのダイナミクス解析に用いられる。
細胞骨格を構成する主要な繊維状タンパク質。
細胞形状の維持、細胞移動、細胞分裂、筋収縮などに関わる。
収縮は主にミオシンとの相互作用で生じ、Ca2+はその制御に関与する。
複数の顕微鏡法を組み合わせて同一試料を解析すること。
各手法で得られる情報を統合することで、単独の観察では得られない多面的な解析が可能になる。
例えば、蛍光顕微鏡では標識した分子やイオンの分布を、ラマン顕微鏡では酸化還元などの化学状態を評価でき、互いの強みを補完できる。
正弦波状の強度分布をもつ光で試料を照明し、照明パターンと蛍光分子分布の干渉で生じるモワレ(低周波成分)を解析して、超解像成分を抽出する方法。
特殊な蛍光プローブをなしに超解像イメージングを実現できる。
2蛍光波長の比(レシオ)でCa2+濃度を定量する蛍光プローブ。
蛍光波長の比をとることにより、蛍光プローブの濃度や励起光の強度ムラなどの条件をキャンセルでき、正確なCa2+濃度を計測できる。
計測対象の物理量を絶対量として求めること。
信号と物理量の対応関係を示す検量線に基づいて、信号を物理量へ換算する。
蛍光顕微鏡によるカルシウム濃度計測では、たとえばレシオメトリックカルシウムプローブを用い、蛍光強度比とCa2+濃度の検量線から絶対濃度を算出する。
レーザー照射で生じるラマン散乱スペクトルを画素ごとに取得し、化学組成や分子状態の空間分布を画像化する顕微鏡。
ラマン散乱は分子振動に由来するため、試料中の分子種の識別や、酸化還元などの化学状態の評価に利用できる。
凍結・低温環境下で試料を観察すること。
試料の動きが抑えられてモーションブラーが軽減されるため、露光時間を延ばして信号量を増やし、信号対雑音比を高められる。