由来種 :SUC2 promoter::GFP-GUSとENODL9
promoter::ENODL9-mScarletIを発現するシロイヌナズナ
器官・組織・細胞(株)名:根
染色・ラベル方法等 :シロイヌナズナ
緑:SUC2 promoter::GFP-GUS、伴細胞
マゼンタ:ENODL9 promoter::ENODL9-mScarletI、篩管
グレー:SCRI Renaissance Stain 2200、細胞壁
観察手法 :共焦点、倒立
対物レンズ :60倍
作品画像取得年 :2022
(左:柿本 辰男、右:Pingping Qian)
維管束植物の栄養分を運ぶ通路である篩管と、栄養分の積み込みと積み下ろしに関わる伴細胞からなる組織。
篩管は篩要素と呼ばれる細胞が小さな穴で縦に連絡していて、篩管液が移動する。
篩要素は分化の過程で核を失うが、側方に存在する伴細胞からタンパク質等を送り込まれることにより、生命活動を維持している。
ほぼ全遺伝子についてmRNA の量を定量する方法のひとつ。
最近はRNAシークエンスに取って換わられている。
DNA 配列を認識してゲノムDNA に結合し、標的遺伝子の発現を制御するタンパク質。
多くの場合、一つの転写因子が複数の遺伝子を制御する。
転写因子により、標的遺伝子の発現を促進するもの、抑制するもの、状況により促進も抑制もするものがある。
植物に特有の一群の転写調節因子。シロイヌナズナには36個存在し、様々な生理機能に関与する。
篩部への運命が決まった未分化細胞。
植物における分泌性情報伝達ペプチドで、ペプチドごとに様々な生理機能が知られている。
遺伝子にコードされたペプチドから12-14 アミノ酸残基の成熟型ペプチドとして切り出される。
最初に見つかったCLV3 はプロリンの一つが糖鎖修飾されることがわかっている。
細胞外にロイシンリッチ反復配列からなるシグナル分子受容ドメインを持ち、細胞内にリン酸化酵素ドメインを持つ受容体タンパク質。
私たちの発表では、CLE ペプチドがBAM3とBAM1の細胞外ドメインに結合する時の親和性も報告している。
CIKは受容体よりも小さな細胞外ロイシンリッチ反復配列ドメインと、細胞内セリン・スレオニン リン酸化酵素ドメインから成り、BAM受容体と共に複合体を作っている。
CLEを受容すると、CIKとBAMはお互いにリン酸化し合う。
正のフィードバック(ポジティブフィードバック)システムとは、出力の一部を自身への入力にフィードバックして加算するシステムである。
正のフィードバックは多細胞生物の細胞運命決定においてよく用いられる仕組みであり、細胞がある運命へと分化決定の過程が進むとその過程を強化するような情報処理の仕組みが発動する。
側方阻害は多細胞生物のパターン形成において良く用いられる仕組みであり、ある細胞で運命が定まれば、その周辺細胞に向けて同じタイプにならない様にシグナルを送る仕組み。
CLE25, 26, 45 はその様なシグナル分子であることを見いだした。